はじめに
データベースおよびアプリケーションのバックアップとリストアは、システムの可用性とデータの保全を確保するために重要な作業です。本記事では、Linux環境におけるOracle DBおよびアプリケーションのバックアップとリストアの基本について解説します。具体的な手順やツールを紹介し、実際の運用に役立つ情報を提供します。
Oracle DBのバックアップ
Oracleデータベースのバックアップは、データ損失を防ぐための重要なステップです。Oracleでは、RMAN(Recovery Manager)を使用してバックアップを行います。
RMANの基本
RMANは、Oracleデータベースのバックアップとリカバリを管理するためのツールです。以下のコマンドを使用して、RMANを起動します。
rman target /
データベース全体のバックアップ
データベース全体のバックアップを作成するには、次のようにRMANコマンドを使用します。
RUN {
BACKUP DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
}
このコマンドは、データベース全体およびアーカイブログをバックアップします。これにより、完全なリカバリが可能となります。
インクリメンタルバックアップ
インクリメンタルバックアップは、前回のバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップします。これにより、バックアップ時間とストレージを節約できます。
RUN {
BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 DATABASE;
}
このコマンドは、レベル1のインクリメンタルバックアップを実行します。
Oracle DBのリストア
データベースのリストアは、バックアップからデータを復元するプロセスです。RMANを使用してリストアを行います。
データベース全体のリストア
データベース全体をリストアするには、次の手順に従います。
RUN {
SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP MOUNT;
RESTORE DATABASE;
RECOVER DATABASE;
ALTER DATABASE OPEN;
}
この手順は、データベースをシャットダウンし、マウント状態でリストアとリカバリを実行し、データベースをオープンします。
テーブルスペースのリストア
特定のテーブルスペースのみをリストアする場合、次のコマンドを使用します。
RUN {
RESTORE TABLESPACE users;
RECOVER TABLESPACE users;
ALTER TABLESPACE users ONLINE;
}
このコマンドは、usersテーブルスペースをリストアし、リカバリを実行してオンラインにします。
アプリケーションのバックアップ
アプリケーションのバックアップも、システムの可用性を確保するために重要です。Linux環境では、通常、tarコマンドやrsyncを使用してアプリケーションファイルをバックアップします。
tarコマンドによるバックアップ
tarコマンドは、ファイルやディレクトリをアーカイブするためのツールです。次のコマンドを使用して、アプリケーションディレクトリをバックアップします。
tar -czvf app_backup.tar.gz /path/to/application
このコマンドは、指定したアプリケーションディレクトリを圧縮してtarアーカイブファイルに保存します。
rsyncによるバックアップ
rsyncは、ファイルやディレクトリの同期を行うためのツールです。次のコマンドを使用して、リモートサーバーにアプリケーションディレクトリをバックアップします。
rsync -avz /path/to/application user@remote_server:/path/to/backup
このコマンドは、アプリケーションディレクトリをリモートサーバーに同期します。
アプリケーションのリストア
アプリケーションのリストアは、バックアップからアプリケーションファイルを復元するプロセスです。tarコマンドやrsyncを使用してリストアを行います。
tarアーカイブからのリストア
tarアーカイブからアプリケーションをリストアするには、次のコマンドを使用します。
tar -xzvf app_backup.tar.gz -C /path/to/restore
このコマンドは、tarアーカイブを解凍し、指定したディレクトリに復元します。
rsyncによるリストア
rsyncを使用してリモートサーバーからアプリケーションをリストアするには、次のコマンドを使用します。
rsync -avz user@remote_server:/path/to/backup /path/to/restore
このコマンドは、リモートサーバーから指定したディレクトリにアプリケーションファイルを同期します。
バックアップとリストアのベストプラクティス
定期的なバックアップ
定期的なバックアップは、データ損失を防ぐための基本です。スケジュールを設定して、自動的にバックアップを実行することを推奨します。cronジョブを使用して定期的なバックアップを設定する方法を以下に示します。
crontab -e
次の行を追加して、毎日深夜にバックアップを実行します。
0 0 * * * /path/to/backup_script.sh
バックアップの検証
バックアップデータが正しく保存されているかを検証することも重要です。定期的にバックアップファイルの整合性をチェックし、必要に応じてリストアテストを行います。
オフサイトバックアップ
災害対策のために、バックアップデータをオフサイトに保管することを検討します。クラウドストレージやリモートサーバーを使用することで、物理的な障害からデータを守ることができます。
まとめ
本記事では、Linux環境におけるOracle DBおよびアプリケーションのバックアップとリストアの基本について解説しました。RMANを使用したデータベースのバックアップとリストア、tarコマンドやrsyncを使用したアプリケーションのバックアップとリストアの方法を具体的な例とともに紹介しました。定期的なバックアップの実行やバックアップデータの検証、オフサイトバックアップの実施など、ベストプラクティスを遵守することで、システムの可用性とデータの保全を確保することができます。これらの方法を活用して、信頼性の高いバックアップ戦略を構築してください。

